いよいよ工事の開始です。ここからしばらくは岩井さんにお任せとなります。まず、既存の天井の、壁紙はがしと既存照明の撤去、次に玄関と今の間仕切り壁撤去、既存のトイレドアの撤去、玄関の床撤去、そしてエントランス扉横の壁壊しという順番で作業が進みました。壊し作業が進む中で、いくつかの問題点が出てきました。(1)トイレの新しいドアの設置位置に鉄筋柱が通っているので、トイレのドアを縮小せざる得ない。→この件についてはトイレは従業員用なので、通れる最小サイズは確保できるのでOK。(2)エントランス扉の横にも鉄筋柱が通っているため、ドアの横に設ける予定の開口部ウインドウの幅が狭くならざる得ない。→これは大きな問題です。入り口からの見通しが悪くなり、入りズ来店舗になってしまいます。その解決案としては、エントランス扉について既存の物を撤去し、最大幅のサッシに変更して、開口部をできるだけ大きくとるという策があります。しかし、これは大きなコストアップとなるので、即決できません。見積もりだけ岩井さんに依頼して、その見積もりを待っての判断となりました。結果的には、サッシやドアを極力低コストの物を選択する事で、最小限度のコストアップに止め、新規ドア設置を決断しました。(後から振り返るとその決断は妥当で、それ以外はあり得ませんでした。)
これら撤去工事が進む中、同時並行で、天井の壁紙張りや、新規壁の設置、トイレ新規ドア設置、玄関床のモルタル塗り、電気関係作業(ダクトレール設置、コンセント関連の修正など)がそれぞれの職人の手により進んでいきます。中でも天井の壁紙張りや、モルタル塗りの手際よさは鮮やかで、みるみる打ちに綺麗に仕上がっていきました。
これらの作業が進み、ある程度店舗の大枠が見えてくると、少し気になる点が出てきました。床についてです。当初は既存の合板のフローリングをそのまま使用しようと思っていたのですが、質感が弱く、このままでいいのかな?という疑問が日増しに高まってきました。床の素材はやはり重要で、お客さんは必ず目にするし、それがいい感じの物だと店舗に対して好印象を持ってくれる物です。前に何かで見て気になるものに、足場板という物があったので、少しネットで調べてみました。足場板とは建築現場で作業をするために組まれるフレームの足下を支える板で、作業者はそれに乗って高い所でも作業することができるのですかつてはもっぱら杉板でしたが、最近はメンテナンスが容易なアルミが主流となり、特に関東ではほとんどアルミになっている。などがわかりました。それと同時になんと杉板の足場板を販売しているサイトを発見しました。「WOODPRO」という広島にある会社のネットショッピングサイトです。「!!!」という感じで、そのサイトを熟読していくと、その足場板を使った店舗、事務所の例なども見れてますます、「これしかない」という思いが強くなりました。価格も新しい天然木の床材に比べると格段安く、岩井さんに相談して、どのサイズ、枚数が必要なのかを出してもらい、一気に発注しました。その発注過程では、メールでWOODPROさんと何回かやり取りしたのですが、対応が早く、しかも親切で、とても気持ちよく、ますます、足場板到着が楽しみになりました。
何日か後の到着予定日に岩井さんから「届いた」と言う電話がありました。と同時に岩井さんは「すごいよ。これ本当に使うの?」ともつけ加えました。「?」あわてて現場にいって岩井さんの行っている意味が分かりました。結構びっくりするくらい汚れていて、なかにはかなりの反りがある物もありました。いくら安いといっても、そのままドブに捨てられる価格ではなく、岩井さんに「全然大丈夫ですよ」と強がってみたもののかなり不安になりました。この足場板は既存床の上にそのまま置かれ、岩井さんにより、固定されていきます。厚みが3.5センチもあり、少し手こずったみたいですが、なんとか無事足場板設置作業が完了しました。反りに関しては、岩井さんがうまい具合に配置してくれてなんとか格好はつきました。ただ汚さは相変わらずで洗って綺麗になるのだろうかという不安の中、いよいよ次の段階(自前作業)に進みます。